変身できるようになった最初の頃は、自分ではコントロールできない状況で着衣が分解されて全裸でステラマギカちゃんに成長変身することが余儀なくされていた美枝子ちゃん。

前生の頃のジェンダー視点ならそれでよかったかもしれないけれど、たとえ結界で隠されるとはいえ、変身解除の決定的瞬間を目撃したあと助言をしてくれる仲間になった優二くんや実は魔法少女の先輩だった彗子ママにはその結界に介入し透視できる事実はあり、親しき中にも礼儀はあるという思いは互いにあったので、着衣のまま体が成長し、そこにリボンが絡んで着衣と交ざり合い、裸身をさらさない形で変身できるように術を組み替えていくことはできないかと考え、少しずつ理想を形にしていく。

すぐには自分が理想とする形の変身は実体化できなかった。美枝子ちゃんとステラマギカさんの精神の融合と互いの違いに対する相互理解は、当初はひどい反発もあったが、一旦和解すると驚くほど進んでいき、美枝子ちゃんが変身できるようになって3ヶ月、優二くんや彗子ママに正体を知られてから1ヶ月ほどで、最初の到達点としての前述の形での変身形態をものにすることができた。そう、学校内で美枝子ちゃんがこっそり魔法を使い、ステアマギカさんの魂の具現であるブローチさんに罰を与えられ、そのあと元の姿に戻るまでの1週間のあとで改めて交感し、反省と理解を深めて美枝子ちゃんは魔力への理解を深めたのだ。

それでも変身プロセスに1分かかるのはやはり出動には遅いんじゃないかとも思いはじめていたけれど、魔法少女の大先輩にして前生でのステラマギカさんに仕えていたハルエさん宅での他の魔法少女たちとの合宿訓練での実践を得て術の深化と成長を身につけ、それを反映させたいと改めて変身時の術を分析・再構築し、美枝子ちゃんが変身できるようになってから1年半ほど経って高校に入学する頃には、試行錯誤の末身体の成長を少ない負荷でスピードアップし、変身魔法を帯びたリボンも驚くほど速度や射出量が増え、15秒でまたたく間もないほどで変身完了できるほどになったのである。