変身が崩れた美枝子ちゃん、母に正体を見せる。

なご蟹さんのこのお話の続きをまとめてみました。
http://heltmagna.blogspot.jp/2017/09/blog-post_18.html

体型だけがステラマギカのものになり、優二より背丈が高くなっているものの、心は中学生の美枝子に戻り、彼女の「幸せへの願い」が具現化されたブローチが砕け、寄る辺なき存在になり、優二の肩を借りて、泣き崩れながら優二とともに自分の家に心細く戻るしかない彼女であった。その姿は、事情を知らぬものがはたから見れば、中学校の制服を着た酔ったコスプレ大学生がしっかりした中学生の肩を借りる奇妙な光景に見えただろう。

美枝子の家に着くまでは10分もなかったが、2人には永遠につづくのではないかと思える長い道のりであった。

「ついたよ。いいかい? 申し訳ないけど、一緒にあがらせてもらうからね。ごめんね。」
優二の声に、涙を堪えることなく頷くしかない美枝子だった。
呼び鈴をならし、おそらく美枝子の母と思しき声が「はーい」とインターホン越しに聞こえると、
「ごめんください。夜分恐れ入ります。美枝子ちゃんを送って来ました。」
と、意を決して優二は声を出した。

「美枝子?」
美枝子の母が我が子の名を呼ぶと、美枝子の実際の年齢からかけ離れた体躯を持った女性がその人物、星城彗子(としこ)に泣きついてきた。
「ママ! ママ! あたし……」
二の句を継ごうとしても、いろんな思いが渦巻き、言葉にならない嗚咽しか上げられない美枝子。
だが、彗子はその女性の握りしめていた砕けたブローチを見るなりすべてを理解した。
「美枝子ちゃん、今は何も言わなくていいよ。話は後で聞くから、泣くだけ泣いて、身体がもとに戻るまで学校も休んでいいから。話は私が学校にしておくから。」
「ごめんなさい、ママ……」
美枝子は、その言葉に安堵をおぼえ、また泣き出してしまった。
「あと、そこの君。互いに聞きたいことばかりだろうけど今は詳しくは訊かないから。だいたいのことはわかったから。君も大変だっただろうねえ。また余裕ができたら私からも話したいことがあるから、落ち着いたらまた来てくださいね。」
「ああ、はい。」
まるで美枝子がステラマギカであったことを前から知っていたかのような彗子の振る舞いに驚きを感じながら、優二はバツの悪さを隠せず、間の抜けた返事を返していた。
「じゃあ、今日はこの辺で失礼します。美枝子ちゃん、ごめんね。」
優二もまた、いろいろな思いを胸に渦巻かせながら、美枝子の家を離れていくのであった。

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